使わなくなったトラクターが車庫にあり、どうしたらいいのかわからずに持て余している。そんな農家の方もいらっしゃるかもしれません。
トラクターなどの農機具は、古い型であったり、動かなかったりする場合でも、比較的高価に買い取りしてもらえるという特徴があります。
眠らせるばかりで持て余しているトラクターがあれば、買取を検討してみるのもいいでしょう。
今回は、トラクター買取の相場に触れながら、買取業者の選び方や、より高く買い取ってもらうための秘訣などをご紹介していきます。
使わなくなったトラクターの処理に困っている方や、賢くトラクター売却をしたいという方は必見です。
トラクターの買取相場はいくらなのか
農業機械は中古でも比較的効果に買取してもらえるといいますが、実際にトラクターはどのような相場で買取がおこなわれているのでしょうか?
どの程度の年数がたったものなら買い取ってもらえるのか、より高く買い取ってもらえるポイントはなんなのかなど、気になる項目をチェックしていきましょう。
トラクターはリセールバリューが高い
新品の状態のトラクターを新古車として売った場合、買取価格は購入額の半額程度にまで下がってしまいます。乗用車を新古車として売った場合は、購入額の7割程度での売却が相場といわれるので、新古車売却という点では、農機具はあまりメリットがないといえます。
しかし、購入したトラクターを何年も使用した場合は、当初の買取価格から大幅に買取金額が下がることは少ないのがメリットです。「安価で購入できてある程度しっかり動く車体」であれば需要があるので、リセールバリューが下がらないのです。
そのため、10年以上経過した中古の車体であっても、予想以上に高い値段で買い取ってもらえることが多くあります。
中古農機具を売る際の、「古いし、何年も使っているから、きっと買い取ってもらえないだろう」という心配も、杞憂に終わることもあります。
古いトラクターは輸出業者の方が高価買取
人気の高い種類のトラクターならば、購入後15年ほど経過したものであっても高価買取してもらえることがあります。国内での再販が見込めるものは、生産されて以後15年未満のトラクターといわれます。
あまり人気が少なかったり、マイナーだったりするメーカーのトラクターを使用していたり、故障具合がひどい場合でも大丈夫です。そのような場合は、日本の商品というだけで人気が出る、海外の需要を宛てにできます。
トラクターの買取業者の中には、直接海外へ輸出しているところもあります。海外への直接の輸出ルートを持っている業者を選ぶと、より高く買い取ってもらえる可能性があります。
また、店舗を構えた農機具店よりも、出張買取をしてくれる専門買取業者の方が高く買ってくれる場合もあります。
買取業者を選ぶコツ
買取価格を決定するうえで無視できない重要な要素のひとつが、業者選びです。
基本的には、買取を依頼した業者に買取額の査定をおこない、金額が決まります。そのため、適当な業者選びをしないと、正しく査定をしてもらえない可能性もあるので、注意が必要です。
買い取り実績が豊富な業者を選ぶ
買取実績が豊富な会社を選ぶことによって、より高く、より的確な値段で買い取ってもらえる可能性が高くなります。
買取業者の実績を図るために大切なポイントのひとつが、「対応の早さ」です。経験豊富な業者の場合は、それまでの経験に裏付けられた知識量も豊富なので、買取金額のおよその金額算出が早いのが特徴です。
また、他社での査定金額を聞いてくる業者は、買取金額の相場に詳しくない可能性があるので、注意が必要です。
インターネット上の評価を見てみる
インターネット上では、不特定多数の人の意見を見ることができます。
口コミなどを参考にすれば、どの業者の対応が好評か、逆にどの業者は不評なのか、利用者の意見を知ることができます。
しかし、中には一方的に悪評を書き込んだり、過度に厳しい判断基準で評価したりする書き込みもあるため、あくまでも参考のひとつとして考えるのが妥当といえます。
ある特定のひとつの意見を信用して判断すると痛い目を見る可能性もあるので、どの業者はいい評判が「多い」かなど広く統計的に見るようにし、優良業者の可能性が高い会社を絞り込む目安にするといいでしょう。
少しでも高価買取してもらうための秘訣
トラクターを売却するときはだれでも、少しでも高く買い取ってもらえたらうれしいですよね。
ここからは、お持ちのトラクターをより高く買い取ってもらうためにできることをご紹介していきます。
洗車をする
まずは洗車です。
車の査定には、第一印象が大切です。傷が少なく、動作不良のない良好な状態の車体でも、見た目が汚れていると買取価格が下がる可能性があります。
とくに農機具は、いつも泥や草にまみれているため汚れがちです。そしてその汚れがずっとついたままの車=粗雑に扱われている車としてみなされることもあるのです。
また、綺麗な車体の場合は、買取後の洗車の必要がなくなるので、業者の手間代が浮く分高額査定をしてもらえることが多いです。
エンジン周辺やタイヤもきちんと洗車をして、できるかぎり綺麗な姿で査定してもらうようにしましょう。
査定に影響ありそうなことは伝える
査定に影響がありそうなことは洗いざらい伝えるようにしましょう。
馬力やキャビンの有無など、基本的な性能や装備だけの話ではありません。
とくに、定期的にメンテナンスをしながら使っていた場合や、オイル交換・タイヤ交換をおこなった場合は、査定額を引き上げてくれる場合もあります。
また、定期・特定自主点検などの検査記録がある場合も同様です。普段から大切に使われていた車両ということで、より高い価値を付けてもらえることがあるのです。
買取価格は常に変動している
車両一台ごとに買取価格が変わるのはもちろんのことですが、トラクターの買取価格そのものも常に変動しています。
というのも、市場に出回る中古トラクターの数が多ければ多いほど、買取価格は安くなるからです。
逆に、中古トラクターの販売量が少ないときは、買取査定額も上がりやすいです。トラクターが欲しいという声に反して、販売台数が少なければ、もっと高いお金を出しても買うという人がでてくるので、値段が上がりやすいのです。
このように、需要と供給の関係によって、買取価格は常に変化しています。値段の変動は頻繁に起こるので、より高価に売りたいという方は、売るタイミングを見定めるのが大切です。
複数の業者から見積りをおこなう
より高い値段でトラクターを売るために必要なことの3つ目は、複数の業者から見積りを取るということです。
1社だけで査定をしてもらうのではなく、複数の企業から見積りをおこない、比較をするようにしましょう。そうすることで、自分の持つトラクターの相場を知ることができるだけでなく、どこの業者に依頼すればより高く買い取ってもらえるのか、どの業者の査定額が低いのかを知ることができます。
ときには、悪質業者を見抜くことができる場合さえあります。
また、複数の業者で査定をおこなうことによって、どの業者が詳しく見積りを出してくれているか、どの業者の見積書に不透明な箇所があるかということも比較できます。
まとめ
ここで、トラクターの買取相場に関するポイントをおさらいしましょう。
・トラクターはリセールバリューが高いので、10年以上経過していても比較的高価買取してもらいやすい
・人気のメーカーのものは高く買い取ってもらいやすい
・古いトラクターの場合は、輸出業者の方が高く買い取ってくれやすい
・査定にかかる時間が短い業者は実績豊富な可能性が高い。他社の査定額を聞いてくる業者は要注意
・ネット上の評判も参考にすると、業者の優良・悪質を見定めやすい
・査定前に必ず念入りに洗車。査定にプラスに働きそうなことはすべて業者に伝える
・買取業者は必ず複数社を比較し、金額と見積書の双方がベストな業者を見つける
トラクターなどの農機具は、リセールバリューが高く、うまくいけば予想以上の金額で買い取ってもらうことができます。
しかしその一方で、悪質な業者に依頼すると、破格値で買い取られてしまうこともあります。
良い業者をきちんと見極め、高く買い取ってもらえるような対策を充分にとって、満足のいく買取をしてもらえるように工夫してみましょう。
また、自分の希望に沿うような業者をいちいち見つけるのは骨が折れるという方は、ネットの一括査定などを使うのがおすすめです。数社一緒に比較できるので、より満足のいく売却先を見つけやすくなります。