小さな規模の農場や家庭菜園では、大規模な耕運機を使うことは難しいものです。だからといって、くわを使って耕したりするのも大変ですよね。
そんなときにぴったりな機械こそが、管理機です。管理機の正しい使い方を知れば、農作業をもっと楽にすることができるかもしれません。今回は便利な管理機の使い方について、くわしく、そしてわかりやすくご紹介していきます。
また、管理機は1台で何役もこなすので、管理機の導入によっていらなくなる農耕具が出てくるかもしれません。そのような農耕具は買取に出すのがおすすめです。
管理機ってそもそも何?
そもそも管理機というのは、一般的にもあまり名前が知られていない農工具です。名前だけではイメージしにくい部分もあり、イマイチなにができるものなのかわかっていない……という方も多いかもしれません。まずは管理機とはなにかを知っていきましょう。
管理機とは
管理機は名前の通り、畑を管理するための小型の機会です。アタッチメントをつけかえることで、溝堀り、マルチがけ、うね立てなど、さまざまな作業を管理機1台でおこなうことができます。
メーカーによっては「ミニ耕運機」という名称で販売されていることもあり、小型でさまざまな使い方ができる耕運機と考えてもよいかもしれません。使い方を覚えれば、農作業の耕運の補助として、さまざまな作業を楽におこなえるようになるでしょう。
管理機は機種によって馬力や動力に違いがあり、畑の広さなどによって適したものを選ぶ必要があります。
・馬力の種類
管理機の馬力は強くなると、その分取り回しは悪くなってしまいます。しかし、だからといって馬力の弱いものを選んでしまうと、今度はパワーが足りずに畑を耕しきれないという問題が出てくるかもしれません。
管理機の馬力は、畑の広さに応じて適したものを選びましょう。目安は以下のようになります。
- 8坪~30坪:3馬力未満
- 30坪~120坪:3馬力~5馬力
- 120坪以上:5馬力以上
・動力の種類
管理機の動力はおもに「電気」「ガス」「ガソリン」「混合ガソリン」の4つになります。
電気で動かす管理機は燃料交換などの手間がないためにメンテナンスが容易で、動作音が静かで扱いやすいのが特徴です。住宅地の畑であればコードから電源を引っ張ってくることもできますが、コードをつなぐのが難しい場合はバッテリー式充電式の管理機を使うのがよいでしょう。
電気と並んで手軽なのが、カセットガスで動かす管理機です。燃料の交換や入手が容易なため、初心者にもおすすめできるものですが、冬場は動かしにくいという弱点があります。電気を引っ張るのが難しく、冬に作業することがない場合はもっとも扱いやすい動力になるでしょう。
少し広めの畑で使う場合は、パワーのあるガソリン式の管理機を使うのがよいでしょう。冬場でもしっかり使うことができますが、しばらく使わない場合は燃料を抜いておく必要があるなど、こまめなメンテナンスが必須になります。
ガソリンよりもメンテナンスの手間が少ないのが、混合ガソリンです。こちらであれば数カ月は燃料を抜く必要がないほか、草刈り機などにも使える動力となっています。ガソリンのようなパワーが欲しいけどメンテナンスは面倒だという場合はこちらを使うとよいかもしれません。
管理機の構造
管理機は農耕機械としては非常に小型の機械です。実際に作業をおこなう本体部分のアタッチメントをつけかえることでそれぞれに対応した作業をおこなうことができ、本体部分から伸びたハンドルで操作をします。
ハンドルでのアクセルレバーの操作は、バイクの運転をイメージするとわかりやすいかもしれません。レバーを強く引けばその分エンジンの回転が上がります。
管理機の使い方を解説
管理機は農耕のさまざまな補助をしてくれる道具ですが、具体的にはどのような作業をおこなうことができるのでしょうか。管理機ではおもに以下の3つの作業をおこなうことができます。使い方のポイントとあわせてお伝えしていきます。
耕運作業
ミニ耕運機とも呼ばれる通り、管理機では耕運作業をおこなうことができます。耕運作業は土を掘り返して土の中に肥料や空気を取り込むことで、野菜が成長しやすい土壌をつくる大事な作業です。
小型の機械である管理機を使えば、くわを使って耕すしかないと思っていた狭い畑でも楽に耕すことができます。また、手で耕すよりも深いところまで耕すことができるため、育てる植物にとってもよいといえるでしょう。
耕運作業をおこなう際は1回ですべてを終わらそうとはせず、同じところを数回繰り返し巡回して耕すとよいでしょう。数回に分けておこなうことで、負担を減らすことができるほか、より土を細かく、理想通りの深さまで耕すことができます。
うね立て作業
うね立てとは、耕運した土の株元を盛り上げ、畑に溝をつくる作業です。この盛り上がり(うね)と溝をつくることで、土の排水性や通気性がよくなり、植物の生長を促進することができます。根腐れを防ぐ効果もあるため、こちらも作業も欠かすことはできません。
均一に土を盛り上げていくのは手作業では根気がいるものですが、管理機を使うことで楽にうねをつくることができます。管理機でうね立てをおこなう際は専用の作業機を取り付けましょう。
中耕作業
中耕作業とは、生長途中である植物の株元の土はそのままに、うねの間の土を耕す作業です。この作業をおこなうことで、硬くなってしまっている土をほぐして、土壌の通気性や透水性を高めることができます。また、雑草の発生を抑制する効果もあるため、雑草が生えてくる前におこなっておくべき作業といえるでしょう。
狭いうねの間を耕すこの作業では、小回りの利く管理機が大活躍します。中耕作業では通常の耕運作業よりも狭い範囲を耕すことになるため、車輪などのアタッチメントを取り換える必要があります。育てている植物を傷つけてしまわないよう、注意しながら作業をおこなってください。
管理機を使うときの注意点3つ
管理機は非常に便利なものですが、扱う際にはいくつか注意点もあります。きちんと守らないとケガに事故やトラブルにつながってしまいますので、きちんと覚えておきましょう。
服装に気をつけよう
管理機で作業をする際は服装に気をつけましょう。首や腰にタオルをぶら下げていると機械に巻き込まれてしまうおそれがあり、非常に危険です。また、農耕作業の際には軍手をつけているものかと思われますが、こちらも同様に機械に巻き込まれてしまうおそれがあるため、管理機を使う際には外しておいてください。
そのほか、上着やズボンは長袖で体にフィットしたものを選びましょう。また、滑り止めのある長靴を履いておくと、より安全に作業をおこなうことができます。
作業前には点検を忘れずに
作業前には各所の点検を忘れずにおこないましょう。クラッチレバーが確実に動作するか、エンジンオイルやバッテリーは十分にあるかなど、管理機本体に異常がないことを確かめてください。
また、畑の方も作業前に準備をしておく必要があります。作業をおこなう場所に丈の長い草や小石があると、管理機が巻き込んでしまうおそれがあり、非常に危険です。管理機を動かす前に、あらかじめ取り除いておきましょう。
定期的にメンテナンスをしておこう
管理機を長く使っていくためには、定期的にメンテナンスをしておく必要があります。メンテナンスの際は各所の点検に加え、土を洗い流したり、レバーなど可動部への注油をおこなったりしましょう。
また、エンジンオイルなどのオイル交換も1年に1回を目安におこなう必要があります。廃油処理パックなどがセットになった、オイルの交換キットも市販されているため、そちらを活用するとよいかもしれません。耕運爪などの各パーツに曲がりや摩耗がないかもしっかり確認しておきましょう。
使わない農機具は買取がおすすめ!
管理機では耕運に関する作業のほか、施肥や除草などの作業もおこなうことができるため、管理機を導入することで使わなくなる農耕具も出てくるかもしれません。使わなくなった農耕具は、買取業者に買取に出すことをおすすめします。それらの農耕具を買い取ってもらったお金を下取りとして、管理機を購入するのもよいかもしれません。
まとめ
管理機は畑を管理する上で重要な耕運、うね立て、中耕などのさまざまな作業を1台でこなすことができる機械です。メーカーによってはミニ耕運機という名称で販売されていることもあり、非常に小型で、小規模の畑にも使えるのが特徴です。
管理機を使う際は畑の大きさを考慮して、適した馬力、適した動力のものを選びましょう。また、使用する際には服装や管理機の状態に注意して、事故やトラブルのないように心がけてください。管理機の導入によっていらなくなる農耕具が出ることもあるため、それらを買取してもらい、管理機の購入資金にあてるのもよいかもしれません。