昔は手でひとつひとつ植えていた田植えですが、現在では田植え機を使用しての田植えが主流となりつつあります。田植え機を使うことで足腰を痛められている方でも、操作をするだけで田植えをすることができ便利です。 便利な田植え機には、使用する前にしなければならないことがあります。それは「田植え機のメンテナンス」です。
田植えをするにあたり、まず田植え機の状態を把握しておく必要があります。なぜなら長年使っていない田植え機は錆びや部品などの劣化が起こる可能性があるからです。そんな不具合が起きている状態で使用すると突然の故障につながります。
今回は田植え機の故障を未然に防ぐため、これから田植えをする方はぜひ知っておきたい、田植え前の準備についてご紹介いたします。
目次
田植えで必要な農機具の種類
まず、田植えで必要な農機具をご紹介します。ひとつめは田植え機です。田植え機とは機械に苗を設置し、自動的に苗を植えていく農機具のひとつです。
田植え機には、乗用型ロータリー式・軽量クランク式・歩行型のタイプがり、どれも形や大きさは違います。この3種類の中ですと一番サイズが大きいのがロータリー式、小さいのは歩行型など使う方に沿ってさまざまな種類があります。皆さんのご自宅にある田植え機はどのタイプに当てはまるでしょうか?
田植え機のほかにも農機具が使われます。農機具はトラクター・コンバイン・バインダー・ハーベスターの4種類を使います。ひとつひとつ簡単に説明させていただきます。
・トラクター
トラクターは、田んぼは畑を耕すのに使用されます。
・コンバイン
コンバインは、稲を刈るだけでなく、稲の茎からモミを外してモミと藁が混ざらないよう分別されるような仕様になっています。
・バインダー
バインダーは、刈った稲を麻ヒモで縛る機会です。これはコンバインがない方が使用することが多い農機具になっています。
・ハーベスター
稲の脱殻をしてくれる機械です。また、刈った稲を乾燥させることもできます。
使用している田植え機の種類が分かったところで次は使用前のチェック内容についてお伝えします。
田植えを始める前に農機具のチェックをしよう!
田植えをする前に、まずは農機具のチェックをしましょう。田植えは基本的に1年に1回の使用頻度となっており、長らく使わない間に不具合を起こしている可能性があります。しかし、定期的にメンテナンスをおこなうことで、田植え機や農機具の安全性・機能の不備を事前に把握することができます。まずは農機具の状態チェックの方法をご紹介します。
点検を始める前に、必ずトラクターやマフラーのエンジンを切ります。エンジンがついた状態でおこなうと手や髪の毛が巻き込まれ事故につながる可能性があるからです。また、エンジンが熱いと火傷などのけがにもつながるので、必ずエンジンが冷えているか確認します。
田植え機のチェック項目は大きく分けてエンジン部・施肥機部・植え付け部・走行部の4点です。
1. エンジン部
エンジン部分では、まずオイルの量と汚れをチェックします。オイルの量は上限と下限の間まで入っているか確認します。適量入っていたらオイルの汚れ具合を見ます。オイルが醤油のように真っ黒になっていたら必ず変えましょう。
次にエンジンオイルフィルタです。このフィルタは見た目では不具合が判断できないので、使用時間や回数で交換時期を決めて定期的に交換しましょう。フィルタの目安としては、使用時間が50時間になったら交換するのがおすすめです。
2. 施肥機部
施肥機部の点検では、それぞれの箇所にあるロールの作動具合を確認します。土の詰まりや部品の破損、経年使っていたことによる部品の変形などもしっかりチェックしましょう。土などで汚れていた場合は作業がしにくくなるので、定期的な掃除をおこないます。
3. 植え付け部
植え付け部の点検は、植え付けアームが変形していないか、植え付け爪とプッシュロッドに隙間ができてないか、プッシュロッドにガタが来ていないかの3点をチェックします。
次に支持シューという部分です。支持シューの摩耗をしていないか・しっかりオイルやグリスが塗布されているかも確認しましょう。
4. 走行部
走行部は、まずミッションオイル部分のオイルゲージが、上限と下限の中間になっているか、オイルの色が濁っていないか確認します。オイルは量が不足していたり、オイルが汚れていたりしたら交換をしましょう。
田植え機の不具合とその処置方法
田植え機をしばらく使わず放置しておくと不具合が生じる可能性が高まります。不具合の内容でよく挙げられるのが植え付け部・エンジン系の機械部分・車体の裏の3点です。
・植え付け部
回転部品や植え付け部品があり、田植え機の中でも錆びやすい部分になります。錆がつくことにより、浮き苗の現象が起こる原因になるので、エンジンオイルやグリスをしっかり塗って錆びの処置をしてください。また、植え付け爪などの摩耗も起こります。これらのトラブルの対処法は田植え機の機種によって違うので、取扱説明書をもとに対処しましょう。
・エンジン系の機械部分
エンジン系の機械部分の不具合内容は、エンジンオイルの量や汚れなどで発生します。長い間使用していない、またはオイル交換をしていないと、オイル不足・劣化などによりエンジンの寿命を縮めてしまうことになります。
オイルの交換・補充をする際は、オイル量を確認するためにゲージを確認しながら適切な量を入れてください。オイルの交換の場合は、必ずエンジンを切ってから、古いオイルと新しいオイルを入れ替えた後に、エンジンをかけてオイルを全体へ行きわたらせます。
エンジンオイルフィルタを交換しないことにより、フィルタにオイルが詰まってしまいます。その後オイル圧力が低下すると、エンジンの故障といった不具合が起こる可能性があるのです。故障してしまう前に必ず定期的なフィルタのチェックをしましょう。
・車体の裏
最後に車体の裏の不具合内容は、燃料フィルタポットについてです。燃料フィルタポットは、長期間もの間、フィルタを洗ったり交換したりしないと余分な水や不純物の混じった燃料へと変化し、やがてエンジン部分の破損が起こります。燃料フィルタは定期的に洗浄し、洗浄しても落ちないほど汚れたら交換しましょう。
もし、それでも直らなかった場合は…
不具合が生じ、上記でもご紹介した内容をもとに色々試したものの、まったく効果が感じられなかった場合は処分するしかないと考える方が多いと思います。しかし、実は処分するよりもより良い方法があることをご存知でしょうか?それは、今ある田植え機を中古で販売して、違う田植え機を購入することです。
違う田植え機を買うというのは、新品を買うというわけではありません。田植え機を業者に買い取ってもらい、そのお金で新しく中古車の中を購入していただくという方法です。中古で田植え機を購入すると、新品の金額に比べて半分の額で購入することが可能です。そのため、中古で販売したお金で新しい田植え機が買えます。そう考えるととてもお得ではないでしょうか?
使用せずに放置している農機具も一緒に買い取ってもらおう!
田植え機を中古で売るついでに、今使っていない農機具も一緒に買い取ってもらいましょう。買い取りに踏み切ることで、農機具をしまうスペースが開くだけでなく、現金が手元に戻ってくるため、新しい農機具を買うことができます。
しかし、「自分の農機具は故障していて、とてもじゃないが売りに出せない状態だ」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。その農機具も、売れる可能性があることをご存知でしょうか?
古い農機具でも買い取ってもらえる理由は、売り出されている農機具中古車のほとんどが、比較的に簡単なメンテナンスで修理ができる状態のものが多いからです。
農機具は、普通乗用車とは違い、長期間使用していたとしてもエンジン部分の不具合が出ることが少ないです。また、農機具の故障により中古に出されていても、バッテリーやガソリン交換、プラグ部分を接続修理することで再び使用することができる可能性が高いのです。
またパーツ売りも人気となっており、植え付け爪などの人気の消耗パーツは購入される方がいるのでパーツごとに分けて買い取ってもらえることが多いようです。
まとめ
年に1度しか使用しない田植え機と農機具。使い頻度は自動車に比べてとても低いですが、だからこそ定期的なメンテナンスが大切になります。使用する前に機械に不具合がないか確認しましょう。長年使用していないとパーツが錆びていますと、故障の原因になります。不具合があった場合はそのバーツにあった処置をすることで改善することが可能です。
もし、不具合がどうしても改善されない場合は、業者に買い取りしてもらうのがよいでしょう。その時に使わなくなった農機具も一緒に買い取ってもらうことでより高い利益を得ることができます。
田植え季節が到来する前に、一度自宅にある田植え機や農機具の状態を確認してみてはいかがでしょう?