農業に従事する方にとって、必要不可欠である農機具……。しかし、昨今の後継者不足は深刻なもの。農業をしていたけれど、後継者が見つからない、なかなか思うように収益が上がらないということで、廃業せざるを得ない方もいらっしゃるでしょう。そんなときに使わなくなった農機具を売るには、どうしたら高く売れるのでしょうか。
農機具は新品で購入すれば数百万円からとなり、とても高額なものです。そのため、中古で農機具を買いたいという方の需要は、常にあります。無用の長物となるよりは、どうせなら中古市場で価値があるうちに買い取ってもらいたいと思うのが当然です。
そこで今回は、愛用された農機具を中古農機具屋さんに買取ってもらう際、ポイントとなることをご紹介していきます。中古農機具を売りたい方は、ぜひご参考になさっていただきたいと思います。
中古農機具屋さんの買取時の査定基準はコレ!
農機具を売りたいときは、インターネットの買取サイトや、地元の中古農機具屋さんに買い取りをしてもらいます。では、そこでの査定基準はどんなものなのでしょうか。
中古農機具の査定で最も重要視されるポイント
農機具の査において、最も重要視されるポイントがメーカー名やモデルです。有名メーカーの人気があるモデルなら、年式が多少古くても査定額が高額になる傾向があります。
国内メーカーは高品質のため、海外でも人気があります。古くて見た目もあまり良くないため、国内の中古市場で売れないという場合でも、修理すれば海外で売れる可能性は十分にあります。海外に販路がある販売店なら、買い取ってもらえるかもしれません。
エンジンの状態、タイヤやキャタピラ、外装などの劣化具合
農機具で重要になる点は、やはりパワーです。農機具にパワーがないと、農作業の効率も下がってしまいます。エンジンがきちんとかかるなら、古くて見栄えが良くない農機具でも、良い値で買い取ってもらえる可能性があります。
またタイヤや、タイヤの周りについているキャタピラの状態も、気になるポイントです。タイヤやキャタピラといった走行に必要な部分が劣化していると、査定額が低くなりがちです。農機具のタイヤやキャタピラは、あまり市場に流通していないので、交換するとなると高額になってしまいます。そのため、タイヤやキャタピラが古くて長く使えそうにないと、市場価値が下がってしまうのです。
農機具は実用が目的の機械であり、自動車ほど外装が重要視されることはありません。どちらかというと、エンジンやタイヤなどといった農作業に不可欠な部分がポイントとなります。外装が汚れているからといって、高価買取を諦めるのはまだ早いと言えます。
仕様のランクや、オプションも決め手に…
昔はトラクターなら2輪だけ駆動する2WDが多かったものですが、今では、4輪あるタイヤ全てが駆動する4WDが普通の時代となりました。やはりパワーが2WDより勝っていたり細かい動きが得意だったりという点で、4WDは市場価値が高くなります。
土作りというのは、良いお米を作るために欠かせないものです。土を効率よく耕すロータリーがあれば、査定額が高くなることが期待できます。このようなオプションがついているかどうかも、査定の決め手となるでしょう。
中古農機具を買取業者さんに高く売るコツ
農機具を新品で買ったときは何百万円としたのですから、できるだけ高く買い取ってもらいたいものです。中古農機具をもう使わなくなったら、農機具の買取業者さんに高く買い取ってもらいましょう。こちらでは、売る際のコツをご紹介していきます。
【中古農機具の相場をチェックしよう】
売りたいと思っている中古農機具の相場を知って、どのくらいで売れそうなのか把握しておきましょう。国内メーカーなどで状態が良ければ、日本国内の中古市場でまた売ることができます。国内ではなかなか売るのが難しいものも、海外の市場なら買い取ってもらえる可能性もあります。農機具の種類別に、それぞれの相場を見ていきましょう。
・トラクター
トラクターの相場は、数万円~数十万円です。国内メーカーは性能が良いため、海外でも多く使われており、多少古くても買取価格が高額になる傾向があります。
・コンバイン
コンバインは、数万円~数十万円が相場といわれています。中には、買い取ってもらえないケースもありますが、日本のメーカーは比較的高く買い取ってもらえます。
・田植え機
田植え機の相場は、数万円程度です。田植え機が登場したのは、70年代で、今まで手作業で行っていた田植え作業を機械化したとして、画期的なものでした。田植え期には、歩行用と常用の2種類があります。かつては手作業で行っていた田植えも、今ではマット状になった苗を機械で植えるようになりました。
【売り方を決めよう】
今では、農機具を売る手段はさまざまです。こちらでは、さまざまな販売手段をご紹介します。ご自分に合った方法を探して、できるだけ高値で売りましょう。
・インターネットの買取サイト
「農機具 買取り」などのキーワードでインターネットを検索すれば、農機具専門の専門サイトに行きつきます。このような買取サイトでは、査定依頼がWebや電話で簡単に行えます。無料でお客様のところまで出張査定をしてくれ、その場で現金で買い取ってくれる業者も多いので、便利です。
・オークションを利用
インターネットのオークションサイトを利用すれば、農機具も自分で価格を決めることができます。お客様と直接のやり取りになるので、多少手間はかかりますが、自由度が高い売り方です。
・中古農機具販売店へ売る
農業が盛んな地方では、農機具販売店で買取りをしてもらえます。国内メーカー品で状態のよいものであるなど、国内市場でも売れそうな農機具なら、地元の販売店に売るのもよいでしょう。海外のルートを持たない販売店では、国内市場で売れるかどうか分からないような商品は、高価買取りは期待できないでしょう。
中古農機具を売る場合はこんな下準備が必要
中古農機具を売りに出す前に、いろいろと準備をしておくことがあります。こちらでは、農機具を売ろうとお考えの方が、どのような下準備をすればよいのかまとめてみました。
型番、稼働時間、装備や機能などの情報をまとめておく
査定で見られるポイントは、型番や稼働時間、エンジンがかかりやすいかやオイル漏れはないかといった、装備や機能の情報です。農機具に気になる点があれば、書き留めておきましょう。
ナンバー登録の解除や、車台番号の確認を!
車と同じで農機具を手放すときは、ナンバープレートを外して、地域の自治体にその届け出をしなければなりません。ナンバープレートはドライバーがあれば簡単に外すことができます。業者に頼めば、やってくれるところもあります。
できれば洗浄しておくと査定で有利に
査定を受けるにあたって、少しでもきれいな状態にしておくと、やはり印象が良くなります。農機具についた泥などを、ホースを使って洗い流すだけでも、人に与える印象は違います。簡単な作業なので、査定価格を少しでも上げるためにはやっておいた方が安心です。
中古農機具の買取業者を選ぶ時のポイント
買取り業者というものは、あまり査定価格を公開していません。しかしできることなら、今までに買い取った農機具の査定価格が分かるのが一番良いでしょう。どれくらいの数の買いを行ったかという実績よりも、どれくらい高く買取りをしたかという実績の方が重要です。
まとめ
今回は中古農機具屋さんで買取の際に、気をつけたいことを紹介してきました。新品で買うと数百万円はかかる農機具も、中古で買えば数十万円で済みます。そのため、中古でも買いたいという人の需要はあるのです。
今では農機具を売りたい方は、オークションにてご自分で値段をつけて買い手を探すことも可能です。また農機具専用の買取サイトを使えば、高値で取引することも可能となります。ご自分のお持ちの農機具に合った売り方を選ぶことが、できるだけ高値で売ることにつながります。
この記事をご覧になった皆さんが、今回見てきたようなポイントをご参考に、中古農機具をより高値で売買されることを願っております。