農機具は、農家の仕事になくてはならないもののひとつでしょう。人の力ではできないことを助けてくれる農機具は、とくに重労働的な作業をする際にとても頼りになります。農機具には、刈払機などの手に持って使うタイプのものからトラクターなどの大型の機械まであります。
しかし、一方で農機具を選ぶときには注意したいことがいくつかあります。これらのことに気を付けないと、高額な農機具の購入で失敗することにもなりかねません。
そこで今回の記事では、農機具の選び方に焦点を当てていきます。農機具を購入する際に確認したいポイントや新品か中古品どちらがよいのか、そのメリット・デメリットなども紹介していきます。また、現在農機具をお持ちの方には、農機具を買取してもらうときの参考にしてください。
目次
農機具選びをするときに注目したいのはこの4つ!
農機具には畑で使うトラクターや稲狩りに使われるコンバイン、手で持って使う刈払機など、いくつかの種類があります。価格も安くないものも多いです。せっかく農機具を買うのなら、失敗はしたくないものですよね。ここでは農機具の選び方で失敗しないために、購入時に注目したいポイントを4つ紹介していきます。
大手メーカーの農機具かどうか
農機具を購入する際には、農機具のメーカーが大手のところを選ぶのが安心です。大手メーカーの農機具には、購入前の参考にすることができる情報やお客様口コミも豊富。また、購入した後のアフターフォローも充実しているのも特徴です。大手メーカーで購入すれば、農機具を購入してからも長く使い続けることができるでしょう。
希望の性能に達しているかどうか(馬力・機能燃料タイプ)
購入を検討している農機具が「自身の希望している性能に達しているか」に注目しましょう。たとえば、農機具には馬力によってさまざまなバリエーションがあり、使用する燃料の種類によっても、性能が変わってきます。
馬力とは農機具の力を表す指標で、必要な馬力は農機具を使用したい場所の土壌の質によって変わります。土壌の質が粘りのある粘土質であれば、強い馬力が必要になってくるでしょう。また、農機具に追加で取り付けられるアタッチメントの種類によって、一定以上の馬力が必要なこともあります。
また、あまりに低い馬力の農機具ではエンストをすることもあるようです。対策として、購入前に近隣の農家さんにアドバイスを求めるのもよいでしょう。一般的には25~35馬力の農機具が多く、農機具の種類も豊富です。ご自身が必要になる馬力の水準を満たしているのかは、農機具選びでとても重要なポイントです。
もうひとつ、農機具の大事な性能の基準に燃料の方式があります。燃料方式とは、農機具に使う燃料の種類を表したもので、主なものに「ガソリン式」「カセットガス式」「電動式」という種類があります。
ガソリン式は農機具の燃料方式のなかでも一番パワーが強く、一般的です。近くにガソリンスタンドがあれば燃料の確保や運搬も簡単ですし、稼働時間がほかの方式に比べて長いのが特徴です。現在ある農機具の燃料方式のなかではベストな選択ともいわれています。
次に、カセットガス式です。カセットガス式はガソリン式に劣らず燃料の調達はしやすく、パワーもあります。しかし、使用が終わったガス管の処理が必要なため、ガソリン式に比べて管理の手間は増えるようです。
電動式は「バッテリー式」ともいわれます。ほかのガソリン式やカセットガス式に比べて、音が静かで使用する際の振動が少ないのが特徴です。一方、燃料が切れた際には予備のバッテリーや充電できる設備や施設が必要となります。またバッテリーは使用ごとに劣化していくため、ほかの方式に比べてコストも高めとなっています。
可動時間「1000時間」が分かれ目
農機具は一般的に稼働時間が1,000時間を超えると不調が出てくるといわれています。使用中にはパーツの交換や整備をすればそれ以上使えることもあります。しかし、購入の際にはできるだけ使用時間が短いもののなかから選ぶのがよいでしょう。また、農機具の買取を検討されている方も、稼働時間は商品の買取価格に大きく影響することを知っておくとよいでしょう。
アタッチメントはどこまでつけられるのか
アタッチメントとは作業機とも呼ばれる、農機具に取り付ける追加の装備のことです。アタッチメントには豊富な種類があり、用途によって選ぶことができるようになっています。たとえば、畑で使うことの多いトラクターには以下のようなアタッチメントの種類があります。これらのアタッチメントはほんの一部で、実際にはこれ以上に豊富な種類が用意されています。
また、アタッチメントを取り付ける際に必要になるのが「リンク」と呼ばれるトラクターとアタッチメントの接続の方式です。リンクには「3点リンク」と「2点リンク」の2種類があります。3点リンクとはトラクターとアタッチメントを3点でつなげるもので、左右と上の3点でつなげます。3点リンクは流通量が多く、種類も豊富に用意されています。
対して、2点リンクは左右の2点のみでつなげるもので、3点リンクに比べて種類や流通量は少なく、比較的小型のトラクターに採用されています。ご自身が必要とするアタッチメントが使用できるかどうかも、農機具選びでは重要なポイントでしょう。
実物を見れるなら「エンジン」の確認をすると安心
農機具を購入する際には、可能であればエンジンを確認するようにしましょう。農機具のエンジンは、オイル漏れをしていることがあります。オイル漏れは農機具の不具合のなかでもとくに多いトラブルで、中古の商品を検討している際はとくに注意しましょう。
また、店頭に農機具が展示してある場合には、実際にエンジンをかけてもらい試乗するのも有効でしょう。「エンジンはすぐにかかるか」「安定してエンジンがアイドリングするか」「農機具の動きが安定しているか」など、エンジンは農機具の選び方のなかでもとくに重要です。購入をする前に必ず確認するようにしてください。
購入するなら「新品」? それとも「中古」?
農機具には新品と中古品が販売されています。車を買うときも同様ですが、農機具購入の際にも、新品と中古にはそれぞれメリット・デメリットがあります。詳しく見ていきましょう
新品
農機具の新品を購入する際のメリットには以下のようなものがあります。
新品での購入は、最新の機能がついている農機具の購入やアフターフォローが充実しているのが主なメリットでしょう。とくに最新の機能は、場合によっては中古品にはない効率的な作業が可能になることもあります。
一方で、新品の農機具購入には以下のようなデメリットが挙げられます。
新品の一番大きなデメリットはやはり価格が高いことでしょう。また、農機具のエンジンは長く大きな変化はありません。そのため、農機具の基本的な性能は大きく変わらないともいわれています。
中古
農機具の中古品購入のメリットは以下のようなものがあります。
中古品の農機具購入の最大のメリットは、なんといっても値段の安さでしょう。また農機具のエンジンは耐久性が高いので、中古で買っても長く使えるものが多いのも特徴です。
一方で、中古品の農機具のデメリットには以下のようなものがあります。
新品に比べ、中古品は故障やトラブルが多くなっています。また、好みの農機具が近くのお店に取り扱いがないこともあるため、その際には農機具を探す手間も発生します。
中古の人気が高いワケ…
中古の農機具には以上のようなデメリットもあります。しかし、農機具は新品よりも中古品の方が人気あります。その秘密はやはり中古品の価格の安さです。農機具の選び方のなかでも価格は大事なポイントです。
また、農機具は車のエンジンに比べてエンジンも丈夫なことに加えて、基本的なエンジンの性能は長年大きく変わりません。中古品であっても近くにお店があれば、万が一の際の修理も簡単でリスクも少なくなります。こうした背景から、農機具は中古品が人気のようです。
農機具の購入をするときの業者選びのポイント
実際に農機具を購入する際には、失敗しない農機具を選びたいものですよね。ここでは購入の際に参考にしたい、農機具業者の選び方のポイントを解説していきます。
1. 適正価格かどうか相場をチェック
今ではインターネットやお客様口コミ、雑誌などから農機具を購入した人の発信する情報を知ることができます。自身で購入を検討している農機具が発信されている情報に比べて適正な価格かどうかを確認しましょう。業者によっては、同じような性能の商品でも割高な価格で販売していることもあります。購入前には、必ず適正価格に設定されているのかチェックするようにしてください。
2. 実物を目で確認
写真でみたものと実物が違うことはよくあります。そのため、写真だけで購入を決めてしまうのは危険です。農機具を購入する際には、必ず実物を確認するようにしましょう。また、確認の際には前述したようにエンジンのチェックや試乗をさせてもらうとよいでしょう。
3.地元周辺の業者はオススメ
自宅から離れた場所で農機具を購入すると、機具の輸送費などで追加の費用がかかることもあります。農機具の購入はできるだけ自宅の近くで健闘するとよいでしょう。自宅の近くであれば、農機具が故障したときにも素早く対応してもらうことができます。
まとめ
ここまで、農家での仕事を助けてくれる農機具の選び方について紹介してきました。機械の力で農作業を助けてくれる農機具は、農家の方にはなくてはならないものです。
しかし、ものによっては値段も高く、手軽に買えるものではありません。失敗しない農機具を購入するためには事前の確認や下調べが欠かせません。写真のみでの判断は避け、必ず実物を確認し、自身が納得するものを購入するとよいでしょう。
正しく農機具選びのポイントを理解し、日々の仕事を助けてくれる農機具を見つけてください。また、農機具の買取を考えている方も、今回紹介してきたポイントを参考に買取依頼を検討してみてください。