「実家で農家をしていたが、もう後継ぎがいない……」そんな理由で、所有している農機具を売却したいと考えている方もいるのではないでしょうか?
農業に詳しくない方にとって、農機具は未知の道具です。「この農機具はどう使うの?」「どうやって売却すればよいの?」と途方に暮れていることもあるかもしれませんね。特に、稲刈りなどに使用する「バインダー」などは、大きくて高価な農機具であるため、処分に困っている方も多いでしょう。
そこで今回は、「バインダー」と呼ばれる農機具について、どういった役割を持つ機具であるのか、売却する際のポイントは何か、などについてご紹介していきたいと思います。
バインダーがどういうものであるのかを詳しくご紹介していますので、バインダーの処分を検討されている方はもちろん、「バインダーって何?」という方も、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
目次
農機具のひとつであるバインダーは、主に麦や米などの稲穂を収穫する際に使用するものです。バインダーには持ち手とタイヤがついており、台車のように持ち手部分を前に押して動かします。押しながら前に進むと、足元に生えている稲穂を自動的に刈り取ってくれる仕様です。また刈り取った後、刈り取った稲穂を束にして、自動的に紐で結束してくれるという機能も持ち合わせています。
その昔、稲刈りはカマなどを使って人間の手でおこなわれていました。大変な思いをしていた稲刈り作業でしたが、バインダーの登場によって、非常に簡単・効率的におこなえるようになったのです。
バインダーと似た機能を持つ農機具として、「コンバイン」というものがあります。コンバインは稲穂を刈り取った後、脱穀(だっこく)や藁(わら)の切断までをおこなってくれることから、バインダーよりも機能性が高く、便利であるという声もあります。
一方でバインダーは、コンバインよりも機能が少ないからこそ、機械の構造が比較的簡易であり、「コンバインよりもお手入れがラク」というメリットがあります。また、価格帯もコンバインと比べるとかなり安い場合が多いため、あまり規模の大きくない農家などでは、バインダーのほうが重宝されていることも多いようです。
バインダーと類似するコンバインですが、機能性が高いぶん、サイズも大きめです。重量も重いので、管理にはやや苦労することがあります。格納用の倉庫が必要となる場合もあるでしょう。
それと比べると、バインダーは機能が少ないぶんサイズも小さめで、重量もコンバインほど重くはありません。農具置き場の片隅に置いて保管することもできるくらいです。
このように、サイズの小さいバインダーは、家庭菜園程度の規模で運営している圃場(ほじょう)や、急こう配があり農機具の移動が大変な場所などでは、コンバインよりも使いやすいと言われています。
お米は、稲刈り後に乾燥をさせる必要があります。この乾燥の方法には2種類あり、ひとつが乾燥機を利用しておこなう方法で、もうひとつが日光を利用した天日干しで乾燥させる方法です。
現在の米市場では大量生産が一般的であるため、乾燥機を利用する方法がほとんどですが、昔ながらの技法にこだわる農家などでは、天日干しで乾燥させているところもあります。諸説ありますが、天日干しのお米のほうが乾燥機で乾燥させたお米よりもおいしい、と言われることもあるようです。
コンバインを使用して稲刈りをおこなうと、自動的に脱穀され、籾(もみ)の状態になりますので、必然的に乾燥機にかけて乾燥することになります。したがって「乾燥機を使わず、天日干しで乾燥させたい」という場合は、脱穀までしてしまうコンバインよりも、稲刈りと結束だけをおこなってくれるバインダーを使用したほうがよいのです。
ここからは、バインダーの操作方法をご紹介していきましょう。バインダーの操作は、最初は少し難しいかもしれませんが、慣れればとても簡単です。
バインダーは使用する前に準備が必要となります。まずは、エンジンをかける前に、バインダー本体に目に見える問題がないかどうかをひととおり確認します。このとき、ガソリンタイプの場合はガソリンを補充するのを忘れないようにしましょう。
次に、刈り取った稲穂を結束するための麻ひもをバインダーに設置します。準備ができたらエンジンをかけて、あまり負荷をかけないような状態で機械を動かし、機械を暖めます。問題なく稼動していることが確認できたら、準備完了です。
バインダーを稼動するためには、バインダーに搭載されたいくつかのスイッチやレバーを動かす必要があります。
メーカーによっても異なりますが、だいたいの場合、エンジンキーを運転モードに変更したうえで、クラッチやレバーを適切な位置に移動し、最後にエンジンをつけるための紐(スターター)を持って強めに引くことでエンジンをつけることができます。
使用後は、エンジンキーを停止モードにして、フェールコックと呼ばれるレバーを元の位置に戻しておくようにしましょう。
バインダーの使用が終わったら、機械についた泥を落としてから保管するようにしましょう。泥がついたまま放置してしまうと、泥が固まってしまい、次に稼働させるときにうまくバインダーが動いてくれないことがあります。
保管場所までバインダーを運んで来たら、専用のスタンドなどを利用して、タイヤが地面につかない状態で保管するようにしましょう。バインダーの本体はそれなりに重量があるので、タイヤが地面につくような状態で保管してしまうと、重みでタイヤが劣化してしまうことがあるのです。
また、結束用の麻ひもも、できれば外しておきましょう。これも劣化を防ぐためです。さらに、当分バインダーを使用する予定がない場合は、火災防止のためにガソリンも空にしておいたほうが安全でしょう。
さて、「バインダーとは何か?」がわかってきたところで、今度は「バインダーを売却するにはどうすればよいのか?」という点についてご説明していきたいと思います。
コンバインよりは安いバインダーですが、それでもそれなりの金額で購入したはずですから、できれば高額で買取してもらいたいものですよね。ここでは、高額で買取してもらえるための秘訣を3つにわけてご紹介していきましょう。
少しでも状態のよいバインダーに見えるように、売却に出す前に、泥を念入りに落としておくなどのお手入れをしておくことをおすすめします。バインダーは使い方によってはボロボロになってしまうことが多いため、きれいなバインダーは珍しく、高く買い取ってもらえる可能性が高いのです。
バインダーにはベルトなどの付属品がついていることがありますが、付属品だけが手元に残っても、使い道がありません。バインダーを売却する際は、付属品もセットで買い取ってもらえるように交渉したほうがよいでしょう。
バインダーを買取ってくれる業者はたくさんありますので、なるべく高く購入してくれる買取業者を選ぶことをおすすめします。そのためには、よさそうな業者を複数社ピックアップし、相見積りを取ることが大切です。一番高値で購入してくれる業者がすぐに判別できるほか、他社の見積り状況を伝えることで、買取価格をアップしてくれる業者もあるかもしれません。
バインダーなどの農機具を買取ってくれる業者はたくさんありますので、自分の希望にあった、よりよい業者を探し出したいものですよね。優良な買取業者を見つけるための方法には、以下のようなものがあります。
農機具の買取業者についても、インターネット上にクチコミがある場合がありますので、そういった書き込みを参考にしてみるとよいでしょう。ひとつのクチコミだけでは偏りが出ることがありますので、可能であれば複数のクチコミを比較するとよいかもしれません。
また、買取業者の公式ホームページを閲覧し、買取実績などを確認してみるのもおすすめです。
農機具を日常的に使用している人たちであれば、おそらく農機具買取業者に農機具を売却したことがあるはずです。そこで、近所に農機具を所有している人がいれば、その人に「どこの業者に買い取ってもらったのか?」「だいたいいくらくらいで買い取ってもらえたのか?」といったことを聞いてみるのもおすすめです。取引の際の対応がどうであったかなど、細かな点についても確認してみるとよいでしょう。
各買取業者に、直接相談してみるのも有効な手段のひとつです。自分の目と耳で説明を受けることで、どの業者であれば安心して買取をお願いできるかが判別しやすくなるかもしれません。
ほとんどの買取業者が電話などで相談を受け付けているはずですので、よさそうな業者を複数見つけたら、買取方法や買取価格について、それぞれ電話で相談してみるとよいでしょう。
さて今回は、農機具であるバインダーについてご紹介してきました。どういった役割を持つ機具であるのか、売却する際のポイントは何か、などについて、理解は深まりましたか?
農機具はサイズも大きく、保管場所の確保も大変です。もし今後、使用しなくなった農機具があった場合は、ぜひ農機具買取業者に買取をお願いしてみてくださいね。その際に、今回の記事が参考になれば幸いです。