農作業には欠かせない農耕車ですが、じつは公道を走ることが可能です。公道を走り移動ができるのは便利ですが、その分事故のリスクに備える必要があります。
農耕車でも保険に加入し事故を起こしてしまったり、事故にあってしまったりした場合に備えておくとよいでしょう。
今回は農耕車の保険についてだけではなく、盗難被害や農耕車を傷つけられた場合の対処法もご紹介します。農耕車のあらゆる場面を想定し、安心して使用しましょう!
農耕車にはどんな種類があるのでしょうか?今回は代表的な農耕車3つをご紹介します。
トラクターは土を耕すほか、種や肥料を蒔(ま)いたり、収穫をしたりとトラクターだけでいくつもの農作業をおこなうことができる万能な農耕車です。
「引く」という意味であるラテン語がトラクターの名前の元となっているように、他の農業機械をけん引することも可能です。
コンバインとは、イネや麦などの穀物の収穫からその中身を取り出す脱穀、さらには選別までできる機能を合わせ持った農耕車です。コンバインは、お米や麦などの農作物を育てている農家の方にとって、農作業の効率を上げるためには欠かせないものです。
田植え機は、稲を田んぼに植える作業を自動でおこなってくれる農耕車です。広大な田んぼに手作業で稲の苗を一本一本植えていくのは、かなりの重労働です。そのため米作り農家の方には、田植え機は欠かせないものだといえるでしょう。
トラクター、コンバイン、田植え機などの農耕車は公道を走ることが可能です。公道を走るということは、保険に加入する必要はあるのでしょうか?
自賠責保険とは、車を持つすべての人が必ず加入しなければならない保険です。自賠責保険は事故があった際に被害者を守ることが目的で、人身事故にあった被害者を補償します。そのため被害者の車の修理や自身の怪我についての補償は、保険の対象外となってしまいます。
一方、自動車保険は任意となっており、加入するかしないかは自分で決めることが可能です。自動車保険は事故にあった際、自賠責保険ではまかなうことのできない被害者への補償、さらには自身や車の補償を含めることが可能です。
事故を起こしてしまった場合、被害者への損害賠償はかなり高額になるため、自動車保険も合わせて加入しておくことをおすすめします。
本来であれば加入が義務づけられている自賠責保険ですが、農耕車の場合は自賠責保険をつけることができません。その理由は、自賠責保険の加入の義務は最高速度が35km/h以上の車のみだからです。
自賠責保険をつけることのできない農耕車は、無保険状態でも走行することができます。しかし他の車と同じように事故を起こしてしまうおそれがあるため、無保険状態での走行は危険かもしれません。
農耕車の場合は保険に入る義務はありませんが、任意の自動車保険に入っておいたほうが安心です。万が一、農耕車で人身事故を起こしてしまい自動車保険にすら加入していないと、被害者に対する賠償金や治療費をすべて実費で支払う必要がでてきます。
自分では支払い不可能な金額になってしまうおそれもあるため、無保険のまま農耕車を運転するのはリスクが高いです。そのため事故を起こしてしまったときに、せめて相手の方への補償がついている保険だけでも加入しておくことをおすすめします。
農耕車の盗難はあまりなじみのないことのように思われますが、実際に盗難は横行しています。万が一に備えて、盗難保険に加入することが大切です。
農耕車が盗難にあう心配はあまりないように思われますが、じつは近年農耕車の盗難被害が頻発しています。驚くことにその被害にあった半数近くが、倉庫などに入っている状態で盗難されているのです。
盗難被害にあわないためにも、できる限りの予防対策をおこないましょう。
・農耕車を外に出したままにしない
農耕車の使用後は、施錠された倉庫など人目につかない場所にしまいましょう。外に置いたままだと、いとも簡単に盗まれてしまいます。
・倉庫に入れていても農耕車のカギはかけておく
倉庫に入れているからといって、安心してはいけません。盗難被害の半数近くが倉庫に入った状態での盗難です。農耕車を倉庫に入れても、きちんと農耕車の施錠をしてカギは乗せたままにしないようにしましょう。
・防犯カメラを設置する
倉庫内や倉庫付近に防犯カメラを設置するなどして、盗難防止に役立てましょう。防犯カメラがあるだけで盗難しようとしても、個人が特定されることを恐れて農耕車の窃盗をやめる可能性があります。
さらに防犯カメラで録画しておくことで、盗難にあってしまった際もその映像が犯人特定の手がかりとなります。
・農機具共済に加入する
盗難被害にあった場合に備えて、農機具共済の損害共済に加入しておきましょう。損害共済に加入していれば、農耕車が盗難被害にあって新しく農耕車を購入する際、補償金を受け取ることができます。万が一に備えて加入しておくと安心です。
もし農耕車が盗難にあってしまったら、すぐに交番や警察署に届け出ましょう。また農耕車を購入した販売店への連絡もおこないましょう。
盗難目的で農耕車を運び出そうとしたけど、結局うまく運び出せず傷だけつけられることや、盗難目的ではなくただ傷つけるだけの悪さをする人もいます。そのような理由で傷つけられた農耕車はどうすればいいのでしょうか?
農耕車が故障してしまうような傷や使用に支障をきたす場合は、購入した店や農耕車の修理店で修理をしてもらいましょう。
農耕車を修理に出そうとしたけど修理費用がかなり高額になってしまう場合や、エンジンのようなメイン部分が破損してしまった場合は買取してもらうことも考えましょう。
処分や修理にはお金がかかってしまうかもしれませんが、買取してもらうことができれば新たな農耕車を購入するための軍資金にあてることもできます。
農耕車には、トラクターやコンバイン、田植え機などがあり、これらの農耕車はすべて公道を走ることが可能です。しかし農耕車は自賠責保険という一般的な車に義務づけられている保険に入ることができず、実質無保険状態となってしまうおそれもあります。
万が一、事故を起こし相手に怪我を負わせてしまった場合、治療費だけでなく損害賠償も必要となり実費で支払うことが困難な場合もあります。そのような事態を避けるためにも、農耕車でも自動車保険に入り安心して農耕車を使用できる環境を整えましょう。
また農耕車の盗難被害も増加しているため、盗難対策や盗難保険に入ることが大切です。農耕車を外に出したままにせず、カギをかけて倉庫にしまうなどの対策を万全にして盗難を防止しましょう。
農耕車がいたずらに傷つけられてしまった場合は、修理に出すことを検討しましょう。あまりに修理費用が高額になったり、使いものにならないほど傷つけられてしまったりした場合は買取に出すことを考えたほうがよいかもしれません。