壊れたり古くなったりで使わなくなってしまった農作業用トラクター。引き取り先がたくさんある普通自動車と違い、トラクターのような特殊車両はどう廃棄すればいいのか分からない人が多いようです。
まだ使うかもと先送りにしたり、長年農作業を共にした思い入れから手放せずにいるケースもあるでしょう。あるご家庭では、敷地内に置きっぱなしのトラクターに奥さんが物干し竿を何本も設置し、タオルやTシャツなどの洗濯物がたなびいていました。
トラクターを洗濯干し台にリメイク…それもアリかもしれませんが、最も効率的なのは農機具業者へ査定に出して買い取ってもらうことでしょう。敷地も広く空きますし、何より売却によって利益を得られる可能性があります。それでは、トラクターを業者の査定に出す際、どのようなポイントが重要視されるのでしょうか?査定で高く評価される点などを順にご説明していきたいと思います。
トラクターの査定で最も影響があるのは馬力ですが、その他にもたくさんの基準ポイントかあります。せっかく売るのなら高く売れるほどうれしいものですので、これからご紹介する内容をぜひ参考にされてみてください。
一般的に、トラクターの買取価格は馬力の大きさに比例します。馬力が大きいほど買取価格が上がり、小さいほど下がります。馬力のレベルは10馬力程度からあり、小さな農家なら10~20馬力のトラクターを使っていることが多いようです。中規模農家では30馬力以下、大規模な農家では50~70馬力のものを中心に所有しています。
トラクターにはさまざまなオプションがあり、馬力が上がるほど仕様のグレードもアップしていく傾向です。キャビン付きの仕様であれば天候に関係なく作業でき、ラジオやエアコンも搭載されていて人気があります。ロータリーが付いていること、四駆であることも重要です。
これを満たしていないと大幅に査定額が下がります。また、一般的な農家が求める仕様やオプションは高評価となりますが、最低限のものが付いていない場合や、需要が低いオプションなどは評価されにくいようです。
トラクターの査定では年式よりもアワーメーターが示す稼働時間が重要視されます。一般的に農機具は公道を走らないものが多く、ほとんどがナンバーを取らないため登録書類がありません。正確な年式は購入時の書類が保管してあればわかりますが、なければ車体番号からだいたいの製造期間がわかる程度です。
トラクターの稼働時間は短いほど高く査定され、長いほど使用時間が長いということになり安く査定される傾向にあります。買取業者への査定時にはアワーメーター数を申告することになりますので、事前に確認しておきましょう。
トラクターの査定では、車と同じく型式や外装・内装の劣化具合も重要視されます。また、汚れが目立つと査定額は当然下がってしまうため、可能なかぎり内外装の汚れはきれいにして、評価が上がるようにしておきましょう。特に新しいモデルでは、トラクターでも内外装や全体がきれいな方が「状態が良い」という印象を与えられ、中古市場で流通する上でより有利となります。
トラクターは毎年新しいものが発売され、古いものは価格が下がっていきます。使わなくなったものは、価値が下がり切る前に売りに出したいものです。また、トラクターはかなり大きなものですし、放置していれば場所を取り続けることにもなります。
余談ですが冒頭でトラクターを洗濯物干しにしていたご家庭は、トラクターを手放したあと駐車スペースが広がり、2人の息子さんが同時に帰省できるようになっていました。トラクターを価値が高いうちに手放しデッドスペースを有効に使うためにも、以下のようなことも確認しながら査定に出す準備を進めていきましょう。
トラクターを売るなら、農作シーズン中で高値が付きやすい時を狙うのがおすすめです。日頃からネットオークションをチェックしておくと、買取価格の相場が上がっているか下がっているか判断できます。季節を狙って相場が高くなっている時に売れば、高額査定が期待できるでしょう。
トラクターはタイヤの交換費用が高額になります。車と比べて特殊であるため単価が高く、中古市場でもタイヤは見つけにくいことから、タイヤの状態がよいかどうかは重要なチェックポイントになります。また、トラクターはパワーが物を言う農機具ですので実用性もタフさも重視されます。見た目が劣化していても、エンジンの掛かりや駆動系に問題がなければ古くても評価されるでしょう。
農機具買取業者では、古すぎるトラクターや動作不良のあるトラクターでも買い取ってくれるため、積極的に査定に出してみることをおすすめします。トラクターなどの農機具はパーツに需要があります。分解することでさまざまな利用価値が生まれるため、古くても故障していても「売ってみたら高額買取してもらえた!」というケースは珍しくありません。
諦めモードで廃棄してしまうと大損になる可能性もあります。しかし、業者に問い合わせたり相見積もりを取ることで利益が出ることが期待できますし、売れなかった場合でも廃棄手続きを代行してもらえて助かるかもしれません。
売り時はシーズン中のオークションを参考にすれば分かりますが、買取相場や、高く売れる業者はどう調べればいいのでしょう。損をしない金額で売るためにも、ある程度の目安を知っておきたいですね。
ここまでご紹介した通り、トラクターの査定額は馬力、可動時間、型式の人気、オプションなどによって数十万の差が出ますが、50万円以下から90万円未満で買い取られるトラクターが中心ではあるようです。
しかし中古トラクターの相場は常に変動しているため、さまざまなオークションで目安を確認したら、一度は農機具専門の買取業者に査定してもらうのが確実でしょう。ネットで農機具買取業者の比較サイトを利用し、数社に一括査定を依頼することで自分のトラクターの価値を把握することができます。
トラクターは現在、海外からの需要の方が高くなっています。日本は農業離れが進んでいることから、海外に輸出ルートを持つ業者を選んだ方が有利となるケースが多いのです。
日本のトラクターは人気が高く、国内では廃車にされるものでも海外なら高く売れるため、買取価格も期待できます。また、部品やパーツも日本製として高値がつくことから、古いものや壊れたものほど、海外ルートのある業者に依頼するのが最適だと言えるでしょう。
中古車販売店ならネット上はもちろん街中にもズラリと並んでいたりしますが、そのようなお店の多くは、トラクターの取り扱いはしていません。仮に買い取り可能だったとしても、適切な価値に査定してもらえる可能性は低いでしょう。そういった点から、トラクターという特殊車両は、やはり専門知識を持った農機具買取業者に査定してもらうのが一番です。
まずはネットで農機具買取業者を検索し、お住まいのエリアに対応してくれる所を探してみましょう。全国対応の業者もたくさんありますので、気になる業者を選んで無料査定を依頼してみてください。中には特殊車両を扱う立場を悪用し、適正な査定を行わない業者も少なからず存在しますので、しっかり見極めながら選んでいきましょう。
ネットの口コミも参考になりますし、対応が丁寧で詳しい査定を行ってくれる、金額の説明がしっかりしていて分かりやすいといった点からも判断できます。必ず複数社に査定をしてもらうことで詐欺のような被害は避けられ、納得のいく価格で取引することができるでしょう。
トラクターの査定基準は馬力の大きさを始め、型式や仕様、エンジンやタイヤの状況などが大きく影響します。そして車と同じように年式や稼働時間、内外装の劣化具合などによって価値が割り出されていきます。また、トラクターの査定ではパーツそのものも重視されるため、故障していても査定に出すことをおすすめします。
日本のトラクターは海外で大人気で、国内では廃車扱いになるものでも海外では需要があるため、海外ルートを持った業者には特に高く買い取ってもらえる可能性があります。このように、トラクターの売却では特に業者選びが重要となるため、農機具専門の買取業者の中からしっかり比較して依頼することが大切です。